【謎解き・歌詞解釈・「ルパン三世のテーマ」の「ひとすじの流れ星」の意味は?】


昔から疑問に思っていたのですが、「ルパン三世のテーマ」の
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B30217
↑の歌詞の4行目と5行目の比喩が、腑に落ちません。

[原詞]
男には自分の世界がある たとえるなら
空をかける ひとすじの流れ星


[自分の解釈]
男性は誰しも、(ことに女性には)邪魔されたくない、
自分だけの夢を追求したいという心情があり、
それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように(     )だ



[自分の疑問]
(     )にどんな言葉をあてはめればしっくりくるの?
「孤独なもの」
・・・うーん、いまいち・・・。



「はてな」のみなさんに質問してみよう!


と思った次第です。よろしくお願いいたします。

回答の条件
  • 1人2回まで
  • 登録:
  • 終了:2014/07/26 00:50:31
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。

ベストアンサー

id:hacosato No.17

回答回数34ベストアンサー獲得回数18

ポイント500pt

id:lionfan2さん! お待たせしました。

lionfan2さんの考えを図示すると、今回のテーマは下図でいう意味の橋になるはず。

 f:id:hacosato:20140725000434p:image

でもね、私が大事だと思うのは、ここじゃないのです。
いまからその話をします☆

私がこの歌詞を見て、最初にすごいと思ったのはとにかく1行めです。

真赤な薔薇は あいつの唇

この部分がすごいのです。
そしてこの部分に注目すると、lionfan2さんが考えていた5~6行めもつられてわかるようになります。
だから、回りくどいようですが、まずは1行めを考えてみることにします。
共通点は、比喩です。

私的には、比喩は3つの要素でできています。トピック例え話意味の橋、です。
例示します。
「先生は天使のようだ。」という文なら、「先生」がトピック、「天使」が例え話になります。
トピックは比喩の外にあるいわば「地の文」なので、意味は字義通りになります。
例え話は字義通りの意味ではなく、天使が持つ特徴を「天使」という言葉で代弁させていることになります。
最後に意味の橋ですが、これは文中には出てきません。
意味の橋とは、トピック例え話を意味の上でつなぐもの。
今回でいうと、「先生」と「天使」には「優しい」という共通点があります。
ここでは「優しい」が意味の橋です。
図示すると、以下のようになります。

 f:id:hacosato:20140723232333p:image
例示おわり。

さて、歌詞の1行めの比喩はこうでした。

真っ赤な薔薇は あいつの唇

図示するとこういう感じです。

 f:id:hacosato:20140725232549p:image
これでいうと、「真っ赤な薔薇」がトピック、「あいつの唇」が例え話になります。
意味の橋はきっと「赤い」ということでしょう。
…ここであれ?って私は思いました。
あれ、トピック例え話、逆じゃない??

そうなのです。1行めの文、順番がふつうとちょっと違うのです。
ふつうだったら、唇を見て、それを薔薇に例えるところだと思うのです。

 f:id:hacosato:20140725000435p:image
でもこの歌詞は逆です。そしてそれがこの歌詞のいいところです。

  1. 薔薇は、あいつの唇のように赤い
  2. あいつの唇は、薔薇のように赤い

1.は、この歌詞を文に変換したもの。2.は、それを入れ替えて、ふつうな感じに私が作ったものです。
人のからだを別のものに例えるのはよくある手段です。
たとえば、白い雪のような清らかな肌を持つ少女を白雪姫とか言ったりします。それふつう。
それが、逆だったらどうでしょう。
雪を見て、それと同じような清らかな肌を持つ少女を想起するのだとしたらヤバいです。
その人どんだけ肌白いんだよ!!って思います。
それと同じことが、この歌詞の中で起きています。
「真っ赤な薔薇は あいつの唇」って表現、聞く人にすごく赤さの印象を強く残すのですね。
1行めは、こんなふうにすごくイレギュラーで、気の利いた表現です。

とすれば、lionfan2さんが注目されている5~6行めも同じ構図にならないでしょうか。
改めて引用すると、5~6行めはこうでした。

男には 自分の世界がある たとえるなら
空をかける ひとすじの流れ星

それに対するlionfan2さんのまとめは、こうです。

 f:id:hacosato:20140725000434p:image
でも、私はこうではないと見ています。
「流れ星」は例え話ではなくて、トピックのはず。
流れ星を見て、流れ星みたいな人を想起する、というような流れにならないと、1行めと対応が悪くなっちゃう!

でもそうだとすると、流れ星のあとに例え話が出てくるはずです。
それなのに見当たりません。

 f:id:hacosato:20140725002750p:image
どうして?

存在しないのではありません。歌詞としては文字に起こされていないだけです。
「ひとすじの流れ星~♪」のあと、曲はこう続きます。
「ルパン ザ サード!」って。
これ、構図を描き直すとすると、こうです。

 f:id:hacosato:20140725233303p:image
「男には 自分の世界がある」の部分は、もはや比喩とは関係のない部分です。
それよりあとの部分だけで、比喩の世界は完結しているみたいなのです。

私は「流れ星」はトピック「ルパン ザ サード」が例え話、だと思います。
この歌詞は、こんなふうに、私たちの予想を裏切ったところに比喩があるからこそ、
ステキで素晴らしいのです。

しかもここで「流れ星」って言葉がチョイスされるのは、ほんとにセンス感じます!
だって「流れ星」は1行めの「薔薇」と対比されているのですよ。
「薔薇」は動かないものだけど「流れ星」は動くもの。
「薔薇」は色を反射して美しいものだけど、「流れ星」は発光するから美しいもの。
それに「薔薇」は見下ろすものだけど、「流れ星」はいつだって見上げるもの。
「薔薇」と「流れ星」はふだんは対で考えたりしないものですが、
こうして対応させるために、よく練られたペアなのです。

この対応関係は意味の橋でもあります。
この質問の当初の趣旨は、意味の橋を探ることでした。
上記の対応関係が、私からの答えです。

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 動くもの )だ

だし、

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 輝くもの )だ

だし、

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 見上げたもの )だ

です。
でもこの歌詞の見どころは、もっと違うところにあると私は思ったのです。
この目に見えにくいくせによく練られた比喩の構図が、この歌詞の一番の見どころだと私は勝手に考えたのでした。

長文お読みいただきありがとうございました。

id:lionfan2

id:hacosato様、目からウロコの新説を、わかりやすく図解で明示いただき、ありがとうございました。素晴らしい回答だと思います。謹んでベストアンサーを進呈させていただきます。お疲れ様でした! 「はてな」だけに書くのはもったいないので、ぜひこれも本家に載せてしまって下さい。

2014/07/26 00:49:23
id:hacosato

ベストアンサーありがとうございます!
お喜びいただけたようでよかったです&自分でハードル上げまくってたのでちょっとほっとしました(笑)

つい最近SEKAI NO OWARI『眠り姫』を読んだときに比喩のことを考えたばかりなので、
タイミング的にもラッキーでした。
http://hacosato.hatenablog.com/entry/20140720/nemurihime

スターをくださったid:a-kuma3さんもありがとうございます。
いつもお世話になっております♪

2014/07/26 18:58:25

その他の回答16件)

id:hkwgch No.1

回答回数253ベストアンサー獲得回数22

ポイント20pt

「特別」
「独自」

動かない他の星々と違って、ということで。

id:lionfan2

id:hkwgch様、了解です・・が、この解釈だと比喩として浅いような気もするので、もう少し、ほかの方の回答も待ちたいと思います。
(たとえば「独自」なら、色や形だけ違っててもよいわけですし、「独自」というわりには、人類の約50%には当てはまってしまうので)

2014/07/21 00:14:59
id:jan8 No.2

回答回数456ベストアンサー獲得回数96

ポイント12pt

「神聖なもの」
「ファンタスティック」

私は真面目です。

id:lionfan2

id:jan8様、ある程度、了解です。ただこの解釈の場合、「流れ星」=「神聖」というのはみんな納得するのか? という疑問があることと、「全体的にダンディズムを肯定している歌の割には自画自賛っぽくない?」というのがひっかかっています。

2014/07/21 00:20:46
id:Yacky No.3

回答回数1376ベストアンサー獲得回数156

ポイント12pt

うーん
真面目に考えて「きらめく野望」や「ぎらつく野心」ですかね。

id:lionfan2

id:apple_1416様、流れ星→きらめく、というのは、なかなか良いと思います。
ただ、流れ星ははかなく一瞬で燃え尽きてしまうものなので、夢ならまだしも、
野望とするには向いていないような・・・。
(自分で「はかない」とわかっていて、なお野望を真剣に追求するのは非常に難しいと思えるのです)

2014/07/21 00:32:19
id:a-kuma3 No.4

回答回数4973ベストアンサー獲得回数2154

ポイント12pt

地球から見ると、普通の星は北極星を中心とした円を描く軌跡をたどります。
でも、流れ星(流星だけじゃなく、彗星もですけど)は、普通の星とは違った、真っ直ぐな(というか、変わった)軌跡を描きます。

「自分だけの夢を追求したいという心情があり」ということではなく、オレはオレの道を行くぜ、という比喩だと思います。
オレの夢を追及するためには、盗人という正道(普通)ではないオレの道を貫くのだ、ということではないかと。

他4件のコメントを見る
id:hacosato

>歌詞の解釈に欠けては最強のあのお方
私か! 私のことか!!(違)

2014/07/22 23:03:34
id:lionfan2

お前のことだぁぁぁぁ。腹くくれぇ!

2014/07/22 23:36:18
id:sibazyun No.5

回答回数1824ベストアンサー獲得回数246

ポイント12pt

NO.1の方のいうよう、「動かない他の星々と違って」ですが、
単に点でなく、ひとつひとつ別な線、軌跡が描ける、ということではないかと。
そちらのパターンに入れれば、
それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように(個々別々の軌跡を描くの)だ。
「流星群」ではなくて、あくまでも独行するものですね。

id:lionfan2

id:sibazyun様、ありがとうございます。「他と違って独自の」は、と質問以前に考えていたより、ずっと説得力を増してきました。それではもう少し、回答待ちをしたいと思います。

2014/07/21 09:06:37
id:taddy_frog No.6

回答回数832ベストアンサー獲得回数83

ポイント12pt

他の人たちも言ってますけど、

世界で俺が主人公だ!
という意味でしょう。

他1件のコメントを見る
id:taddy_frog

自分が主人公なのは、
自分が生きてる間だけでも
充分だと思います。

太く短く生きて、
大きな事をしたいんじゃないでしょうか。

2014/07/21 11:29:10
id:lionfan2

ありがとうございます!! 了解です。
さて、いまは神の降臨待ちタイムです!!

2014/07/21 12:31:41
id:akira-tago0704 No.7

回答回数953ベストアンサー獲得回数138

ポイント12pt

流れ星は大気圏にはいった宇宙のゴミが燃えて落ちてくるものですので、
「燃えているの」だと僕は思います。

つまりは、自分の世界のために情熱を燃やすんだ!(ルパンならお宝を手に入れるため?)という解釈です。

id:lionfan2

id:akira-tago0704様、ありがとうございます!! あたらしい解釈で、勉強になります。

2014/07/21 14:28:23
id:utaro2013 No.8

回答回数1ベストアンサー獲得回数0

ポイント12pt

個人的にはNo.1、No.5の「動かない他の星々と違って」「特別」「独自」であり、「個々別々の軌跡を描く」という流れに同意です

付け加えるなら、「個々別々の軌跡を描く」ので、自由気ままに定住せず渡り歩くアウトローの比喩もあるでしょう。泥棒ですし

あと、ルパンの逃げ足と愛車のスピードはまさに流れ星ですね

もう一つ思い浮かんだのは、中島みゆきの「流星」という長距離トラックのヘッドライトの残像を流星に見立てた曲がありますが、同様にルパンでの真夜中の逃走劇、カーチェイスシーンのヘッドライトも流れ星に見えます

質問者様のフォーマットに沿った回答ができず申し訳ないのですが、わざわざ「たとえるなら」と直喩表現を採っているのは、複数の比喩が込められていて、それらを列挙すると冗長になるという作詞者の判断ではないでしょうか。ですから、唯一この比喩であると挙げるのは難しく思います

ちなみに1番の流れ星に対し、2番は「例えるなら風を払い荒れ狂う稲光」と1番の晴れと2番の雷雨と天気を対比させている辺りは、さすが職業作詞家の先生方はスキがないつくりだなあと、惚れ惚れします

2番の稲光の方は、情熱、スピード、破壊辺りからふくらませていけばいいのかなと思います

id:lionfan2

id:utaro2013様、良い回答でした。ありがとうございます。

2014/07/21 23:41:04
id:amai_melon No.9

回答回数2011ベストアンサー獲得回数47

ポイント1pt

「ぶれないこころ」

id:lionfan2

id:amai_melon様、これは納得できませんでした。流れ星はぶれない心の比喩としては不適当だと思います。

2014/07/21 23:42:17
id:miharaseihyou No.10

回答回数5225ベストアンサー獲得回数717

ポイント12pt

流れ星のように素早く現れ消える、月光仮面や黄金バットの世界だな。
ガッチャマンの火の鳥とか・・。
強くてかっこいい・・男の理想?・・かも。

id:lionfan2

id:miharaseihyou様、了解です。たしかにルパンも犯行現場からは素早く逃げる必要がありますね。

2014/07/21 23:43:03
id:tea_cup No.11

回答回数1071ベストアンサー獲得回数194

ポイント12pt

「一瞬のきらめきに存在の全てをかけている」のではないかと。
年金を積み立てるようにゆっくりのんびり時には後戻りする惑星の軌道と違って。
tea_cupは、金星のように、時には目立つけど、常に自分のペースで動き続けたいです。

id:lionfan2

id:tea_cup様、ありがとうございます。了解です。

2014/07/21 23:54:44
id:kaichoxkaicho No.12

回答回数6ベストアンサー獲得回数3

ポイント12pt

ナポレオン・ボナパルトの言葉に「天才とは己が世紀を照らすため、燃えるべく運命づけられた流星のことである」というのがあります。

これは、少々大げさな表現ではありますが、流れ星のように、一瞬ではあるけれども鮮烈に明確な軌跡を描いて散っていくようなものだという意味では近いと思われます。

つまり、儚くもどこか寂しげであり、普通の人の長い人生を考えれば瞬間的なものかもしれないが、流れ星が美しく煌めきながら散っていくように、この世に爪痕を残して生きる道を選びたい。

そんな、男が誰しも一度は想い描く、ロマンを表現した歌詞だと思われます。人の夢は儚いともいいますしね。

id:kaichoxkaicho

補足:ルパンの有名な話に「ルパンは夢を見ない」ってのがありますよね。だから、ルパンに限って言えば、儚い夢なのではなく、それは全て現実。現実化する(させる)ものだと思います。一瞬で消えていく星も、ルパンの去り際の潔さもあるかもしれませんね。

2014/07/22 14:50:30
id:lionfan2

id:kaichoxkaicho様、ありがとうございます。「儚いが美しいもの」説は、なかなか有力ですね!!

2014/07/22 22:05:52
id:NAPORIN No.13

回答回数4894ベストアンサー獲得回数909

ポイント12pt

「とどめ得ないもの」「止めると美しさを失うもの」 

じゃまされたくないと同じかもしれないですが…^^;

id:lionfan2

id:NAPORIN様、お久しぶりです&ありがとうございます。
「(夢を)とどめ得ない」とは、美しい日本語ですね。

2014/07/22 22:07:15
id:pchank No.14

回答回数26ベストアンサー獲得回数3

ポイント12pt

空は広大ですよね。そんな広大な空の中に、一瞬でも輝く流れ星は美しくもはかないということで、「美しくもはかないもの」はどうでしょうか。

id:lionfan2

id:pchank様、ありがとうございます。「美しくも儚いもの」説に一票ですね。了解です。

2014/07/22 22:08:11
id:takejin No.15

回答回数1543ベストアンサー獲得回数203

ポイント50pt

流星の印象

・速い : マッハ15の流星号を例に出すまでもなく、地球表面上を秒速40km前後で飛ぶ流星は、速さの象徴

・特別 : 周囲の星とは別格な、特別な星

・まっすぐ: 飛跡が直線であること

・孤独:散在流星であれば、並走するものさえいない孤独(しかし、寂しいわけではない「孤高」という感じでもある)

・短命:一瞬のきらめきを見せて散る。そこに凝縮された時間が短いこと。

・唐突:予告なく現れ、そのまま消える。

・死の予感:だれかの魂の流れたあとという。

・願い事をかける:願い事を3回唱えられれば… → 誰かの願いを叶える存在:流れ星

・はかなく美しい:夜空にきらめきを一瞬生じさせる。


こんなイメージのどれを取捨選択するのか。

孤独まっすぐ唐突

でしょうか。

id:lionfan2

id:takejin様、細かいところまで考察していただいた回答。ありがとうございます。よく考えられていると思います。

2014/07/24 23:58:07
id:grankoyan2 No.16

回答回数121ベストアンサー獲得回数34

ポイント300pt

 本気出します。

A.真っ赤な薔薇は~

 この段では唇の赤さを薔薇に例え、抱きしめるまではできてもキスするまでには至っていないという微妙な距離感を歌っています。

B.瞳の奥に~

 対象を獲物と捉え、寂しく問いかける(=孤独)、愛の在り処(=やっぱり孤独)
 と、(Aでの)キスにも愛にも至らないという切なさが唄われています。

C.男には~

 後述。

D.孤独な笑みを~

 A,Bで出てきた孤独を笑い、夕陽に晒す。
 背中で泣くということは、表面上は笑っているんだけれども、内心では悲しみを抱き、出来るだけ見せないようにしているが、背中には滲んでしまっている。ということ。
 また特筆すべきは、一番の歌詞では未だ夜空には至っていない。時間的に夕方だということです。



 さて、男には自分の世界がある。

 では世界とはなんでしょう?

 それは、ひとつには対象を口説き落とすという技量や価値観(Aより)
 また、孤独を癒すために人の力を借りざるをえないという孤独感(Bより)

 つまりは、孤独を(一時的に)癒すために必要なテクニックはあれど、未だ真実の愛に辿り着いていないという現実があります。

 ひとすじの流れ星ですが、Dの時点で夕方であったのに、Cの時点で夜であるわけがありません。

 では、流れ星がかけたのは昼、あるいは夜だったのか?

 そういうことはないでしょう。

 朝に口説き(A)、昼に愛を問いかけ(B)、夕にはまた孤独を噛みしめる(C)

 夜にかけた流れ星とは前世、あるいは前回の恋において、一瞬は光リ輝いたものの、地表面(愛の対象)へは到達できずに燃え散ってしまったことを表していると考えます。

 であれば、流れ星というのは、
 『たどり着く前に燃え尽きてしまう』の一点が最重要の比喩となっているようです。

 流れとしては、

A.抱きしめるところまでは行くが、キス(自分の物にする)までは遠い
B.たとえ表面上は付き合うだの肉体関係を結ぶなどの事実はできても『愛』を知ることはできない
C.それは地表へは到達できずに燃え尽きる流れ星のようだ
D.だから、常に孤独を感じながらも表面上は笑うのだ

 という流れです。さらに言えば、B~Dの時点で一旦過去を振り返って思い返しているという組立です。

 他の方がおっしゃっているように、『一瞬の輝き』による愛の一歩手前の感情の表現や、『儚く美しいもの』といった意味も込めているとは思いますが、あくまでも燃え尽きて到達できないが主眼に置かれています。

 ひるがえって考えると、歌詞の流れ的に、『自分の世界』というのは、
『夢を追求したいという心情』ではございません。というのがわたしの解釈です。

 これは一貫して恋愛観を歌った歌だからです。

 一見世間では愛だの恋だの満ち溢れていますが、真実の愛を追い求める一つの男の世界。ちまたで言われている『愛』は真実の愛ではないと疑い、疑問視するという生き様(さらに言えばそれをわかりつつも愛を求める生き方)が、ここで歌われている『自分の世界』ではなかろうかと。

 ただし、愛をお宝に置き換えると、ルパン三世という作品におけるルパンの立ち位置が見えてきます。

 宝についての事前の調査をしてアプローチする(A)、盗んだ宝を鑑定し(本物かどうかを問いかけ)(B)、これは真実の(唯一絶対の)宝ではないと悟り(C)、悲しみながらも表面上は喜ぶ(D)。

 作品としては、ルパン三世は真実の宝を手に入れることは決してない。
 それでも毎回お宝を求めて行動する。(ここに悲哀があります)
 それの繰り返し。

 そういう作品であるということを暗に示していると思います。
 終わらないストーリー。

 というわけで、

 男には自分の世界がある=手に入れた宝の価値を疑うことがあってもよいんじゃないか? という独自の価値観からの、例えるなら(決して地表には到達できずに燃え尽きる)流れ星のように)、本物には決してたどり着くことができない。それでも毎夜毎夜どこかで流れて光り輝くのだよ。

 本物の宝に辿り着けないことを知りつつも、(放送の都合上で)新しいお宝を求めることが必須となっているという難しい立場の主人公を表している。(ワンピースのようにゴールがないということでありやす)

 という解釈でファイナルアンサー。

選ばれし男には、真実の宝にはたどり着けないことを悟りつつもそれでも宝を追い求めるという世界観がある。
それは、毎夜降り注ぐが地表へは到達することが稀な流れ星のようだ

id:lionfan2

id:grankoyan2様、本気出しましたね! 素晴らしい。今のところ、ベスト回答だと思います。質問して良かったです!

2014/07/25 00:01:05
id:hacosato No.17

回答回数34ベストアンサー獲得回数18ここでベストアンサー

ポイント500pt

id:lionfan2さん! お待たせしました。

lionfan2さんの考えを図示すると、今回のテーマは下図でいう意味の橋になるはず。

 f:id:hacosato:20140725000434p:image

でもね、私が大事だと思うのは、ここじゃないのです。
いまからその話をします☆

私がこの歌詞を見て、最初にすごいと思ったのはとにかく1行めです。

真赤な薔薇は あいつの唇

この部分がすごいのです。
そしてこの部分に注目すると、lionfan2さんが考えていた5~6行めもつられてわかるようになります。
だから、回りくどいようですが、まずは1行めを考えてみることにします。
共通点は、比喩です。

私的には、比喩は3つの要素でできています。トピック例え話意味の橋、です。
例示します。
「先生は天使のようだ。」という文なら、「先生」がトピック、「天使」が例え話になります。
トピックは比喩の外にあるいわば「地の文」なので、意味は字義通りになります。
例え話は字義通りの意味ではなく、天使が持つ特徴を「天使」という言葉で代弁させていることになります。
最後に意味の橋ですが、これは文中には出てきません。
意味の橋とは、トピック例え話を意味の上でつなぐもの。
今回でいうと、「先生」と「天使」には「優しい」という共通点があります。
ここでは「優しい」が意味の橋です。
図示すると、以下のようになります。

 f:id:hacosato:20140723232333p:image
例示おわり。

さて、歌詞の1行めの比喩はこうでした。

真っ赤な薔薇は あいつの唇

図示するとこういう感じです。

 f:id:hacosato:20140725232549p:image
これでいうと、「真っ赤な薔薇」がトピック、「あいつの唇」が例え話になります。
意味の橋はきっと「赤い」ということでしょう。
…ここであれ?って私は思いました。
あれ、トピック例え話、逆じゃない??

そうなのです。1行めの文、順番がふつうとちょっと違うのです。
ふつうだったら、唇を見て、それを薔薇に例えるところだと思うのです。

 f:id:hacosato:20140725000435p:image
でもこの歌詞は逆です。そしてそれがこの歌詞のいいところです。

  1. 薔薇は、あいつの唇のように赤い
  2. あいつの唇は、薔薇のように赤い

1.は、この歌詞を文に変換したもの。2.は、それを入れ替えて、ふつうな感じに私が作ったものです。
人のからだを別のものに例えるのはよくある手段です。
たとえば、白い雪のような清らかな肌を持つ少女を白雪姫とか言ったりします。それふつう。
それが、逆だったらどうでしょう。
雪を見て、それと同じような清らかな肌を持つ少女を想起するのだとしたらヤバいです。
その人どんだけ肌白いんだよ!!って思います。
それと同じことが、この歌詞の中で起きています。
「真っ赤な薔薇は あいつの唇」って表現、聞く人にすごく赤さの印象を強く残すのですね。
1行めは、こんなふうにすごくイレギュラーで、気の利いた表現です。

とすれば、lionfan2さんが注目されている5~6行めも同じ構図にならないでしょうか。
改めて引用すると、5~6行めはこうでした。

男には 自分の世界がある たとえるなら
空をかける ひとすじの流れ星

それに対するlionfan2さんのまとめは、こうです。

 f:id:hacosato:20140725000434p:image
でも、私はこうではないと見ています。
「流れ星」は例え話ではなくて、トピックのはず。
流れ星を見て、流れ星みたいな人を想起する、というような流れにならないと、1行めと対応が悪くなっちゃう!

でもそうだとすると、流れ星のあとに例え話が出てくるはずです。
それなのに見当たりません。

 f:id:hacosato:20140725002750p:image
どうして?

存在しないのではありません。歌詞としては文字に起こされていないだけです。
「ひとすじの流れ星~♪」のあと、曲はこう続きます。
「ルパン ザ サード!」って。
これ、構図を描き直すとすると、こうです。

 f:id:hacosato:20140725233303p:image
「男には 自分の世界がある」の部分は、もはや比喩とは関係のない部分です。
それよりあとの部分だけで、比喩の世界は完結しているみたいなのです。

私は「流れ星」はトピック「ルパン ザ サード」が例え話、だと思います。
この歌詞は、こんなふうに、私たちの予想を裏切ったところに比喩があるからこそ、
ステキで素晴らしいのです。

しかもここで「流れ星」って言葉がチョイスされるのは、ほんとにセンス感じます!
だって「流れ星」は1行めの「薔薇」と対比されているのですよ。
「薔薇」は動かないものだけど「流れ星」は動くもの。
「薔薇」は色を反射して美しいものだけど、「流れ星」は発光するから美しいもの。
それに「薔薇」は見下ろすものだけど、「流れ星」はいつだって見上げるもの。
「薔薇」と「流れ星」はふだんは対で考えたりしないものですが、
こうして対応させるために、よく練られたペアなのです。

この対応関係は意味の橋でもあります。
この質問の当初の趣旨は、意味の橋を探ることでした。
上記の対応関係が、私からの答えです。

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 動くもの )だ

だし、

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 輝くもの )だ

だし、

それは空を流れ落ちる、ひとつの流れ星のように( 見上げたもの )だ

です。
でもこの歌詞の見どころは、もっと違うところにあると私は思ったのです。
この目に見えにくいくせによく練られた比喩の構図が、この歌詞の一番の見どころだと私は勝手に考えたのでした。

長文お読みいただきありがとうございました。

id:lionfan2

id:hacosato様、目からウロコの新説を、わかりやすく図解で明示いただき、ありがとうございました。素晴らしい回答だと思います。謹んでベストアンサーを進呈させていただきます。お疲れ様でした! 「はてな」だけに書くのはもったいないので、ぜひこれも本家に載せてしまって下さい。

2014/07/26 00:49:23
id:hacosato

ベストアンサーありがとうございます!
お喜びいただけたようでよかったです&自分でハードル上げまくってたのでちょっとほっとしました(笑)

つい最近SEKAI NO OWARI『眠り姫』を読んだときに比喩のことを考えたばかりなので、
タイミング的にもラッキーでした。
http://hacosato.hatenablog.com/entry/20140720/nemurihime

スターをくださったid:a-kuma3さんもありがとうございます。
いつもお世話になっております♪

2014/07/26 18:58:25
  • id:hacosato
    あれ…? スターくださいましたか??(ありがとうございます)
  • id:lionfan2
    さきほど質問したついでに、過去質問を読み返していたのです。つくづくこの回答はすばらしかったです。
    また歌詞について質問したいです!!
  • id:hacosato
    そうなのですね〜。喜んでいただけてよかったです♪
    新しい質問はお役に立てそうにありませんが、未来の歌詞の質問、楽しみにしていますね!

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